Biocom社測定機器(HRS-PE)の特徴


現在発売されている自律神経測定器の1つとBiocom社製品の自律神経測定器との測定方法、操作性、データ管理、センサー、機器開発のバックボーン、信頼性などの面より比較したレポートになります。

測定方法

他社製品 Biocom社
PPGセンサー 測定形式に関しては他社製品と同様
但しPPGセンサー、ECGセンサー共にワイヤレスセンサーあり

PPGセンサーを使って耳たぶや指先の末梢血管を流れる血流量の変化(交感神経と副交感神経の活動レベルの変化/血管の拡張と収縮により血流量が変化する)を、赤外線を照射して血液(ヘモグロビン)に吸収/反射される量の変化で測定する原理。

 

健常値比較サンプルデータの根拠

他社製品 Biocom社
(販社ではわからないとの事) 東京大学大学院 教育学研究科より日本人の健常値データの提供。Biocom社により日本人用に編纂されている。

操作性・画面

他社製品 Biocom社
PC画面において全編日本語対応になっており一目で操作がわかりやすい。但し交感神経と副交感神経のバランスグラフが一目ではわかりづらい。 PC画面において全編英語対応になっており一目での操作性は悪い。但しわかりやすいアイコンでの操作の為グローバルスタンダードといえる。専門家にとっては一目で交感神経と副交感神経のバランスグラフがわかりやすい。

データの管理・プロトコル

他社製品 Biocom社
excelへのデータ交換可能。データの蓄積可能。経時観察可能。
プロトコル作成は不可能
Excelへのデータ交換可能。データの蓄積可能。経時観察可能。
プロトコル作成は可能

よって複数のプロトコルを作成できるBIOCOM社製は専門家や研究者へも使用適正がある。

 

操作性、機器の移動

他社製品 Biocom社
CD+パルスアナライザー+USBケーブル+ACアダプター+PC接続に手間、電源がない所で長期の使用ができない。PCとセンサーの間にパルスアナライザー+USBケーブル+ACアダプターを設置しなければならず移動、設置に手間がかかる。 CD+HRM-02センサーもしくはワイヤレスセンサー+PCのみ設置、計測に手間がかからない。手軽である。

 

□有線、無線、ECGセンサー

他社製品 Biocom社
PPGセンサーのみ但し、ECGセンサー、PPG、ECG共にワイヤレスなし被験者との距離が離れれない。ワイヤレスセンサーがない理由は、「測定精度が落ちる為との事」 PPGセンサー、ECGセンサー、PPG、ECG共にワイヤレスセンサーあり。
ワイヤレスセンサーがある事で被験者との距離(15m程度)が離れての計測も可能でありまたワイヤーがない事で、煩わしさがなく手軽である。

 

機器の正確性

他社製品 Biocom社
不明 自律神経測定システムの精度のデータ処理テスト

  1. 米国心臓病学会(AHA)のデータベースを使った心拍間隔との比較
  2. マサチューセッツ工科大のべスイスラエル病院(MIT-BIH)のデータベースを使った心拍間隔との比較
  3. ノイズ ストレス テスト(NST)データベースを使った心拍間隔との比較

ソフトウエア許認可の為の検証テスト

1.MIT-BIHに基づく時間領域心拍変動指標との比較

2.デジタルテストパターンの測定に基づく時間領域心拍変動指標との比較

3.インスティテュート オブ ハートマス(IHM)の測定に基づく周波数領域

心拍変動指標との比較

他により製品の正確性を確認

 

PPGとECGの測定値の差に関しても、これはBiocom社のとEastern North Carolina Universityの研究によりPPGデータが十分にECGデータに近く(PPGシグナルの正確さを求めるテストの有意検定で98%以上)と確認。

 

他社製品機器使用時の測定データ関する疑問

他社製品における自律神経バランス分析結果に関して

2分30秒と5分間の測定時間設定が可能であるが

  1. 同一人物、同一環境、同一時間(10分以内)による測定結果がTP、LF、HFが1.5倍~3倍以上の測定値の違いがある。
  2. また他機器によりTP、LF、HFの数値の高い数値を示しているが他社製品による自律神経バランス分析結果 HF値が異常に低い等の測定結果。

以上より測定結果の不正確性の懸念がある。

 

推察

1.に関しては不明であるが

2.に関しては心拍の大きな揺らぎに関しては異常心拍としてシステムが把握しデータとして排除している可能性。

バックボーン

他社製品 Biocom社
不明 1:PTSD治療の為のバイオフィードバックとニューロフィードバックの進歩
負傷兵:トラウマの克服
最適パフォーマンス訓練の為のバイオフィードバックプログラム:East Carolina 大学 と米海兵隊負傷兵大隊イーストの共同プログラム(米国国防省)
2:ロシア科学院医学的生物学的問題研究所(IMBP)
火星への有人宇宙飛行(MARS‐500プロジェクト)に関する地上実験3:エクスプレスプロジェクト教育により子供たちの感情的レベル(EQ)を高める
英国 サザンプトン市教育委員会上記のような国際的プロジェクトにて採用

まとめ

PPGセンサーを使って耳たぶや指先の末梢血管を流れる血流量の変化(交感神経と副交感神経の活動レベルの変化/血管の拡張と収縮により血流量が変化する)を、赤外線を照射して血液(ヘモグロビン)に吸収/反射される量の変化で測定する原理は他社製品,Biocom社とも同じです。

 

両社との大きな差は、単なる「先尖容積脈波検査」ではなく、脈波信号処理とそのデータを使って行う心拍変動解析結果の精度だと考えます。心拍変動解析の世界標準を使っているとか、高速フーリエ変換法(FFT)を使っているとか、自己回帰法(AR)を使っているとか、の理論的(数学的)な情報ではなく、機器(アルゴリズム)の精度そのものを証明するデータがあるかどうか、又、テスト結果を比較評価する基準となる「健常値」が内蔵されているとすると、その健常値(データ)の信頼性を証明する研究論文の出所、など、Biocomのようにこれら全てを証明できる情報があるのかどうかだと考えます。
もし、これら全ての証明を持っていたとしても、Biocomのように米国国防省におけるPTSD症状に苦しむ負傷帰還兵の治療や、ロシア科学院医学的生物学的問題研究所(IMBP)MARS-500のような国際的なプロジェクトで採用される為に合格しなければならない厳しいテストで認められなければなりません。

他社製品に関しては被験者の自律神経機能評価の傾向をとらえるには良いのかもしれませんが開発ロジック、健常値の比較データ、機器の精度の点から正確な測定には疑問が残ります。


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